元グランドスタッフ、おもちさんが語る「怖い教官の正体!」

こんにちは。ソライチです。

先日Twitter上でゆる募をした「エアラインライター」ですが、記念すべき第一回目を公開します!

今回寄稿にご協力いただいたのは、元GS(グランドスタッフ)のおもちさん@omochi_pht)です。

 

GS訓練時代の「鬼教官」についてのエピソードを、丁寧に書いていただきました^^

丁度先日から既卒大手CA受験の内定発表がされており、訓練を控えている方が多いですので、絶妙なタイミングでの公開が出来ました^^

ありがとうございます!

それでは以下、本文をお楽しみください^^
※専門用語の使用を出来るだけ避けるため、便宜上、統一している単語等があります。ご了承ください。

 

元グランドスタッフ:おもちさん「怖い教官の正体!」

航空会社、客室乗務員やグランドスタッフの訓練といわれて何を思い浮かべるか。

実際私が入社前に想像していたのは「怖い」「厳しい」「辛い」この3つだ。

このイメージはドラマなど受けた印象も大きいだろう。

ドラマ、アテンションプリーズの訓練も厳しいイメージだったのは、教官役の真矢みきが怖かったからだと思う。

 

では実際、訓練や教官はそんなに怖く辛いのだろうか。

 

グランドスタッフとして独り立ちするまでには、約4種類の教育を受ける。

入社後、会社についての「オリエンテーション」→「全職種共通の教育」を受け、実際にグランドスタッフとして働くために必要な知識を養う「専門教育(座学訓練)」、その後ママさんと呼ばれる先輩についてもらいながら、実際に現場に出る「OJT」を経てやっと独り立ちをする。

 

会社にもよるが、グランドスタッフの訓練期間は約1-3か月。

教育の種類の数だけ、教官がいる。

その中でも「厳しい」と言われているのが「専門教育(座学訓練)」だ。

 

私は専門学校から日系航空会社にグランドスタッフとして入社した。

専門学校時代の講師陣は元CAや元GSであり教官経験なども豊富だったため、入社前から厳しさには耐性があったし、想像はできていた。

しかし、訓練は想像をはるかに超え、私自身あまりの辛さに訓練期間中に失神しかけた。

 

専門教育(座学訓練)の教官は、普段は現場にいるスタッフだ。

新人教育の期間のみ、現場を離れて教官をする。

私の教官はまさしく、どの先輩も口を揃えて「怖いでしょ」という女性だった。

座学訓練は、9:00~17:00の1日8時間、7日間。

一日で大体テキスト100ページ前後進み、翌日の朝に前日の復習テスト、授業後に合格点を満たしてない場合には居残り、100点を取れるまで繰り返しテストが行われた。

ただ、1日に100ページも進むと、家に帰って復習しても合格点の7・8割をとることは容易ではない。

しかし教官はそんなことお構いなし。

「褒める」という言葉を知らないのではないかと思うほどに。(褒めて伸びるタイプの私には辛かった(´;ω;`))

 

不合格者が多いときは「今まで担当した中でこんなに多いのは初めてです。恥ずかしい。」

合格者が多いときは「こんなのできて当たり前です。」

 

分からないことがあり授業後に質問をすると

「何で分からない時に聞かないんですか。その他のことは分かったんですか。」(確かにごもっとも。)

教官が入室するまでに必要なテキストが机の上に揃っていないと

「やる気あるんですか。なんで準備できていないんですか。」

 

誰かひとりでも出来ていなければ連帯責任。

自分には当てはまっていないのに一緒に怒られていた。

 

ただ、負けず嫌いな私はこの言葉でさらに「教官ぎゃふんと言わせてやる。」と必死に勉強していた。

帰ってからは翌日のテストに向け、夜中の2・3時まで自習をしていたため、5日目ごろから疲れが勝ってしまい、教官の言葉一つひとつが心に刺さり始めた。

 

座学訓練最終日には、使用されていない実際のカウンターを使い、実技テストが行われた。

ここが訓練最大の難関だった。

 

様々なシチュエーションの中から、教官が選んだものをお客様役の同期が演じ、それに対する訓練生の応対をクリップボードを持った教官が厳しい表情で見守っていた。

一人終わると、その都度フィードバックが行われる。

もちろん褒めることなんてない。

厳しい意見ばかりだった。

あまりの厳しさや不甲斐なさに、泣き出してしまったり体調が悪くなってしまい途中退出者もちらほら。

 

そんな地獄のような一週間も無事に終わり、現場訓練である「OJT」へ進むと、お客さまとコミュニケーションをとることが好きな私は、先日までの日々とは打って変わり天国にいるような気分だった。

 

OJT教官達は私の座学訓練教官の鬼っぷりを知らず、全員口を揃えて「怖いんだって?受ける子たちみんなそう言うわ(笑)普段は全然怖くないんだけどねぇ。」と話した。

その時の私には、この「普段は全然怖くない」という意味がまったく理解できなかった。

 

私のOJT教官達は、時に厳しいこともあったものの、とても良い人達ばかりだった。

訓練生によってはOJT教官が怖すぎて逃げ出す人もいたけれど、私はとにかく現場に出れることが楽しくて、先輩の怖さなんかそっちのけだった。

そんな長いようで短いOJTは約一週間で終わり、いざ独り立ち。

 

あれだけ訓練を重ね、あれだけ勉強をしたのに、先輩のカウンターの倍も時間がかかってしまう。

そして何より、後ろに教官のいない不安感と緊張に押しつぶされそうだった。

 

そんな中、初めてのケースで戸惑っている私を助けてくださったのが、あの「座学訓練の鬼教官」だった。

 

横から見ていて、思わず(美人・・好き)と思ってしまうほどの見たこともない笑顔で接客をされており、無事お客様を見送ることができた。

すると教官から

「あんな難しいケースを初日に引くなんて持ってるわね(笑)でも端末もできてたしお客様とのコミュニケーションの取り方うまいわね!さすがおもちちゃん。」

と・・・・

 

初誉め言葉&笑顔!

 

それから、挨拶しても座学中には笑顔のなかった教官が、笑顔で返してくれる!

何かあると褒めてくれる!

困っていると、すぐに気が付いて助けてくれる!!!!

 

 

その時「あ、教官はわざと怖い人を演じていたんだ。」と思った。

 

仕事でわざと怒り、厳しくするのも意外と疲れる。

そう考えてから、他の教育を受けていても気持ちが楽になった。

 

だって、私たちのことを嫌いで厳しくしているわけではなく、私たちのことを思って厳しくしているからだ。

そして、厳しい訓練、怖い教官を乗り越えたからこそ、厳しい現場でも乗り越えていけるメンタルが養われるんだと感じた。

 

 

・・・これから訓練を迎える皆さん、厳しい教官はあなたのことが嫌いで厳しくしているわけではないことを、ぜひ覚えていてほしいです。

あなたのことを一人前にしたいという気持ちから、厳しくなってしまう。

きっと、泣いてしまうことも、辞めてしまいたくなる時もあると思います。

けれど私は、この厳しい訓練のおかげで、厳しいお客様にも、辛い日も乗り越えられる力が付きました。

厳しい訓練を一緒に乗り越えた仲間と楽しい日々が待っている。

今はそう思って、ぜひ頑張ってください。

 

ソライチ感想

おもちさん@omochi_pht、素晴らしい寄稿をありがとうございました!

 

教官ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー( ;∀;)!!!って感じですね。本当に。

 

現場で急に優しい一面が見えるとか。

いざ困った時は即座に助けてくれるとか。

イケメンすぎませんか。爆
・・・むしろその辺に転がっているイケメンよりもよっぽどカッコいいですよね。爆

 

おもちさんの仰る通り、教官のほとんどは「訓練生が嫌いだから厳しくしているわけじゃない」んですよね。

 

むしろ、訓練教官は通常、無理やり厳しくするように上から指示されていることも多く、逆に訓練生に対する罪悪感で精神的に追い込まれる方もかなりいらっしゃいます。

それに、訓練生が「仰る通りです・・・」としか言えなくなるレベルの「ド正論派」ばかりなので、たとえ怖かろうと何だろうと人間的に尊敬できる人が多い。
日本語しゃべってるのかどうか分からないレベルの「モンスター」過ぎると、さすがに人に何かを教える立場にはならないので。

 

・・・でもこういう怖い教官の存在って、確かに航空業界にはある程度必要だったりするんです。

なぜなら現場では、訓練なんて片手運転レベルのブラックなケースと遭遇することが普通にあるから。(よくある)

 

特にGSは、CAよりもその機会が多いと思います。

そういう背景もあるので、おもちさんのように現場で教官側の苦労をきちんと汲み取ってくれる後輩がいると、教育する立場の方も救われますね^^

 

・・・それにしても個人的に、「連帯責任」「出来て当たり前です」発言の下りは、首を縦振りし過ぎてちぎれるかと思いました。(笑)

 

はい。

現在訓練中・またはこれから訓練を控えている方々。

(内定したてほやほやの既卒陣諸君もだよ!)

 

今からご覚悟を。ばーん

 

そして、厳しい中にも愛のある人はたくさんいることを、ぜひ覚えておきましょう!!

 

ドラゴンボールのピッコロとか!(ピッコロと悟飯の関係知らない人はググってね)

ドラゴンボール:19巻

 

スラダン陵南の田岡監督とか!!!(湘北と陵南のインターハイ予選知らない人は熟読するように)

スラムダンク:第21巻

 

怖い系の教育係からは無条件で逃げがちな人ーーーー!!!

 

怖い教官(先生)= 悪人

 

この思考だと、

ソライチ

これだから非オタは。

って言われるぞ!!!!!爆

 

全てはあなたが、安全運航を守る一員としての役目を果たすため!!!

しんどいことも多いでしょうが、頑張っていきましょう!

 

今回寄稿してくださった「おもちさん」のTwitterアカウントはこちら→@omochi_phtです。

グランドスタッフに興味のある方はぜひフォローを^^

 

なお、エアラインライターとして記事を寄稿してみたいという方は、以下より詳細がご確認いただけます。

【ゆる募】航空業界エピソードライター(エアラインライター)